避妊・去勢手術は、動物病院で最も一般的に行われる手術のひとつです。
「手術は受けた方が良いの?」
「いつ頃行うのが良いの?」
と悩まれる飼い主様も多いと思います。
今回は、避妊・去勢手術のメリットや注意点、最近の考え方について簡単にご紹介します。
▶︎ 手術はいつ頃受けるのが良いのでしょうか?
以前は生後6か月頃が一般的な目安とされていました。
現在でも小型犬では大きく変わりませんが、近年では大型犬を中心に、成長への影響を考慮して手術時期を検討する考え方が広まっています。
そのため現在は、
「すべての犬が同じ時期に手術を受ける」
のではなく、
犬種や体格、生活環境に合わせて時期を決めることが大切だと考えられています。
当院でもご相談しながら、それぞれの子に合った時期をご提案しています。
▶︎ 避妊・去勢手術のメリット
病気の予防
避妊・去勢手術の大きな目的のひとつは病気の予防です。
【オス】
- 精巣腫瘍
- 前立腺疾患
- 会陰ヘルニア
- 肛門周囲腺腫
などの発症リスクを減らすことが期待できます。
【メス】
- 子宮蓄膿症
- 卵巣・子宮の病気
- 乳腺腫瘍(実施時期による)
などの予防につながります。
特に子宮蓄膿症は高齢になるほど増加し、緊急手術が必要になることもあります。
望まない繁殖の防止
発情中の脱走や予期しない交配を防ぐことができます。
一部の行動が落ち着くことがあります
マーキングやマウンティングなどの性的行動が軽減する場合があります。
ただし、性格そのものが変わるわけではなく、すべての問題行動が改善するわけではありません。
▶︎ デメリットや注意点
手術後は太りやすくなる傾向があります。
そのため、食事量や運動量の見直しが必要になる場合があります。
また犬種によっては毛質が変化することがあります。
さらに近年、一部の大型犬では早期の避妊・去勢手術と関節疾患との関連が報告されています。
ただし、これらの影響は犬種や個体差によって異なります。
そのため現在では、
「全頭同じ時期に手術する」
ではなく、
「その子に合った時期を選ぶ」
という考え方が主流になっています。
▶︎ 麻酔について
避妊・去勢手術では全身麻酔が必要です。
残念ながら100%安全な麻酔はありません。
当院では術前検査や麻酔モニターを用いながら、安全性を高められるよう努めています。
▶︎ 最後に
避妊・去勢手術にはメリットもデメリットもあります。
当院では、繁殖を予定していない一般家庭犬では、手術によるメリットが大きいと考えています。
一方で、近年は犬種や体格によって適切な手術時期が異なることも分かってきました。
「うちの子はいつ頃手術するのが良いのだろう?」
と迷われた際は、お気軽にご相談ください。
ご家族と一緒に、その子に合った選択を考えていきたいと思います。





